2016年4月14日と16日に発生した熊本地震では、熊本城も大きな被害を受けました。

その中でも、多くの方の記憶に残っているのが、「奇跡の一本石垣」として全国に報道された飯田丸五階櫓(いいだまるごかいやぐら)です。

櫓を支えていた石垣の大部分が崩落したにもかかわらず、一本の角石が櫓を支え続けた姿は、熊本地震を象徴する光景の一つとなりました。

現在、飯田丸五階櫓は解体され、2029年度の復旧完成を目指して工事が進められています。

今回は、これまで撮影してきた写真とともに、飯田丸五階櫓の復旧の歩みをご紹介します。

飯田丸五階櫓はどこで見られる?

飯田丸五階櫓を近くで見学するなら、行幸橋(みゆきばし)から行幸坂(みゆきざか)を少し上った場所がおすすめです。

左手には桜の馬場城彩苑があり、右手に飯田丸五階櫓跡が見えてきます。

途中の階段を下りると、飯田丸五階櫓について紹介した説明看板も設置されています。

また、熊本市電(路面電車)の「熊本城・市役所前」電停から長塀通りを行幸橋方面へ歩くと、長塀越しに飯田丸五階櫓を見ることもできます。


2017年4月11日撮影(長塀通りから撮影)

長塀通りから撮影したため少し見えづらいですが、鉄骨アームが見えます。

熊本地震では石垣が大きく崩落しましたが、一本の角石が櫓を支え続けたことで倒壊を免れました。

その後、櫓全体の安全を確保するため、緑色の鉄骨アームが設置され、櫓と石垣の解体作業が進められました。


2024年2月8日撮影(行幸坂から撮影)

この時には、解体された石垣の積み直し工事が完了していました。

石垣の復旧は2024年1月に完了し、少しずつ本来の姿を取り戻している様子がうかがえます。


2026年7月12日撮影(行幸坂からの下り階段下から撮影)

2026年4月からは、櫓を復元するための鉄骨素屋根の設置が始まりました。

今後は、この素屋根の中で本格的な櫓の復旧工事が進められ、2029年度の完成が予定されています。


2026年7月12日撮影(長塀通りから撮影)

Higo Hana’s Point

熊本地震から10年。

こうして過去の写真と現在の様子を見比べてみると、飯田丸五階櫓が少しずつ復旧へ向かっていることを実感します。

熊本城の完全復旧は2052年度を予定しており、現在も各所で復旧工事が進められています。

そのため、今年訪れた熊本城と、来年訪れる熊本城では、また違った景色に出会えるかもしれません。

復旧工事中だからこそ見ることのできる風景も、熊本城の歴史の一ページです。

熊本城を訪れた際は、ぜひ飯田丸五階櫓にも足を運び、少しずつ本来の姿を取り戻していく様子を見守っていただけたら嬉しく思います。